スマートメーターと聞くと「電気」を思い浮かべがちですが、2020年代からは「ガス」のスマートメーター設置が進んでいます。
ガススマートメーターが普及することで、今後どのように変化して行くのか気になる方も多いでしょう。
当記事では、ガススマートメーターの特徴を通して「保安性のレベルアップ」「将来的な料金引き下げ」といった新しい魅力をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
ガスのスマートメーターとは?
2016年に電力自由化が始まって以降、無線通信機能を備えたスマートメーターの認知度も徐々に広がってきました。
そんな中で電気に引き続き、2020年度からガスのスマートメーター普及が話題になっています。
2020年10月28日に発表した資料によると、都市ガススマートメーターの開発は既に終わっており、既存マイコンメーターとの併用導入が始まりました。
LPガスに関しては、通信機能を備えた新なLPガス集中監視システムの導入が2021年頃から始まるようです。
仕組みに若干の違いはありますが、都市ガス・LPガスに共通する特徴をまとめてみました。
特徴1:遠隔検針・操作・監視
ガススマートメーターは「無線通信機能」を備えているため、職員が直接ガスメーターを確認しに行かなくても、遠隔で検針・操作・監視ができるようになりました。
検針日の統一化やオートロックマンション・アパートの検針負担を軽減できるなど、無線で送受信できるメリットは数多くあります。
特徴2:次世代型の通信方式を採用
スマートメーターの導入に電気が先立つ中、ガスが出遅れたのには「外部通信に適さない、電気を引けない」という大きな課題がありました。
課題クリアのために新しく誕生したのが、「Uバス(有線)」「Uバスエア(多段中継無線)」「中継器」を活用した次世代型の通信方式「LPWA通信」です。
LPWA通信には、消費電力を抑えて遠距離通信できる特徴があります。
データのやり取りに電気スマートメーターの通信網、相互接続性のある無線通信規格「Wi-SUN」を活用しているのもポイントです。
特徴3:利用者負担0円!電池のみで稼働
電気と同じく、ガススマートメーターの設置費用は発生しません。
またガススマートメーターに限っては、平均寿命10年の「電池」で稼働するため通信負担額も0円です。
切り替えに必要費用は、すべて業者側の負担となるので安心してください。
ガススマートメーターの魅力は?何が変わる?
実際にガススマートメーターが普及して行く中で、わたしたちの生活はどのように変化していくのでしょうか。
直接的な影響はあるのか、ガススマートメーターの魅力を通して確認していきましょう。
魅力1:平常時・災害時の保安性が上がる
いつでもガスの状態を遠隔監視・操作できるようになったことで、従来よりも保安性(安全な状態を保つ)が高まりました。
災害時のみならず、平常時の思わぬトラブルに対しても迅速な対応が可能です。
平常時 | 災害時 | |
内容 |
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例え |
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魅力2:業務効率化による将来的な料金引き下げ
ガスメーターの確認作業が減り、管理会社の業務効率化が進みます。
確認作業に必要だった人員確保・人件費といった部分が削れてくるため、いずれはガス料金の引き下げも期待できるでしょう。
実際に東京ガスの内田高史社長は、利用者の特性を見極めながら最適なプラン提案を目指し、料金の引き下げを含めたサービス内容の改善・差別化を図ると述べています。
他にも検針内容のデータ化(見える化)が進み、使用状況の確認がネット上で可能に。
蓄積したデータを基に、新なサービスが誕生する可能性も極めて高いため、今後に期待です。
まとめ:ガスがスマートメーター化されると何が変わる?
いかがでしたか?今回内容をまとめると以下の通りです。
ガスのスマートメーターにはどのような特徴がありますか? |
一番大きいのは、遠隔検針・操作・監視ができる点。設置に対して費用は発生せず、電池で稼働しているので通信負担額は0円。 |
ガスがスマートメーターになると何が変わりますか? |
いつでもガスの状態を遠隔監視・操作できるようになるため、平常時及び災害時の保安性が上がる。また、検針に必要な人員を削減できるため、ガス料金の引き下げにもつながってくると期待されている。 |
ガススマートメーターは、都市ガス・LPガスともに2020年代から少しずつ普及が始まっています。
ガスの遠隔監視・管理・操作が可能になったことで、平常時・災害時に関係なくガスに対する安心感が大きくなるでしょう。
料金引き下げや新しいサービス内容の誕生など、今後に向けた変化の中には魅力的な内容が盛りだくさんです。
全国全戸の普及までには時間を要しますが、設置後の生活に期待が膨らみますね。