ネット回線のIP電話とアナログ回線の電話との違いとは?

ネット回線のIP電話とアナログ回線の電話との違いとは?

  • 投稿カテゴリー:光回線

現在主流になっているネット回線とアナログ回線の電話の違いを問われて、詳しく知っている方は少ないでしょう。

最近では、アナログ回線自体をあまり耳にしなくなっていますので、言葉自体を聞いたことのない方もいらっしゃると思います。

ここでは、この2つの違いをできるだけわかりやすく解説し、双方のメリットやデメリットなどを解説していきます。

ネット回線の電話とは?

ネット回線による電話は、どのような仕組みになっているのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

ネット回線の電話は音をデジタルに変換している

ネット回線を利用する電話では、音声データをそのまま送信するのではなく、一旦デジタル信号に変換して伝達する仕組みになっています。

そのまま伝達するよりも雑音が少なく、クリアな音声になるとされています。

ネット回線の電話の種類は3種類

ISDN回線

ISDN回線は、銅線を利用したデジタル回線です。
後述しますが、アナログ回線と同じ銅線を利用しているタイプとなります。回線1つで2回線まで利用できます。

IP電話回線

IP電話は、ひと昔前までインターネットで使用されていたADSLの回線を利用した電話です。
電話番号が050から始まるのもIP電話の特徴です。

ひかり電話

ひかり電話とIP電話はよく混同されがちですが、「ADSLを使った電話がIP電話」で「光回線を使った電話はひかり電話」です。
どちらもインターネット回線を利用しているという意味では同じですが、FAXの利用不可など違いがあるので注意しましょう(ひかり電話はFAXができる)。

現在では、光ファイバーによるインターネット利用が多くなっていることもあり、ネット回線の電話=ひかり電話となりつつあります。

アナログ回線の電話とは?

簡単に言えば、昔からある固定回線による電話のことを指します。
日本でアナログ回線が登場したのは1878年からで、なんと100年以上も提供され続けているサービスなのです。

仕組みとしては、電話局と自宅の電話までを銅線の電話回線でつなぎ、直接電気を供給してアナログ音声を送受信しています。

アナログ回線では、ダイヤル式とプッシュ式があります。
ダイヤル式は、黒電話などを例にすると、0~9のそれぞれ番号を回し、回線を遮断する回数(カチカチ音)で通信させます。

プッシュ式の場合は、0~9のボタンを押すことで、「ピ・ポ・パ…」などの異なる周波数の音により通信する仕組みです。

ネット回線の電話とアナログ回線の電話|それぞれのメリット・デメリットは?

それぞれの回線の仕組みについて分かったところで、双方のメリット・デメリットについて比較していきましょう。

ネット回線電話のメリット・デメリット

まずは、現在主流になりつつあるネット回線電話のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

ネット回線電話のメリット

  1. アナログ回線の電気での送受信と違い、一度デジタル信号に変換されていることで、セキュリティ(盗聴など)に強い。
  2. 直接音声を電気に乗せて送受信するアナログ回線と違い、雑音が少なくなり音声がクリアになる。通話相手との距離による音声劣化も少なくなる。
  3. 電話料金が一定額であったり、無料(ブロバイダによる)であったりとランニングコストが削減できる。
    また、固定電話のような初期費用としての施設設置負担金(電話加入権)も不要。

ネット回線電話のデメリット

  1. インターネット環境がない場合は、まずその環境を整えるための費用が掛かる。回線工事、周辺機器など。
  2. IP電話の場合は番号が050からの市外局番スタートになり、今まで固定電話利用の場合は、番号が変わる場合がある。
    ※ひかり電話の場合は、固定電話の番号をそのまま引き継げる。
  3. IP電話では「110番や119番」など、緊急通報電話に電話をかけられない。また、フリーダイヤルにも電話をかけられない。
    ※ひかり電話は両方ともかけられる。

アナログ回線電話のメリット・デメリット

昔からあるアナログ回線を用いた電話ですが、ネット回線電話に比べて、どのような差があるのでしょうか。

アナログ回線電話のメリット

  1. アナログ電話の最大のメリットは、災害などの際でも送受信しやすく電話で話せる可能性が高い点。
    電話機と交換局とを直接電気を通して使用していることが、つながりやすい理由。

アナログ回線電話のデメリット

  1. アナログ電話を一から導入しようとした場合、ネット回線電話よりも初期投資やランニングコストが多くかかってしまう。
    電話加入権を購入する必要があり、月々の基本料や通話料なども高め。

    アナログ電話回線の際にかかる費用(概算) 項目ごとの費用
    契約料 800円
    施設設置負担金(電話加入権) 36,000円
    工事費(新規) 0円
    月額基本料 1,450円~
    通話料 市内8.5円/3分
    市外から20㎞まで 市外10円/90秒
    市外から60㎞以上 10円/45秒
    携帯電話へ通話 17~20円/60秒
  2. 遠方への通話には向かない。これは、距離が長くなるほど、電気信号損失が増え音質劣化が起こるから。
  3. 一番の問題となるのは、2025年を境にこの固定電話サービスが終了すること。IP電話やひかり電話などに移行する予定。

まとめ:ネット回線のIP電話とアナログ回線の電話との違いとは?

今回はデジタル回線電話とアナログ回線電話との違いや、メリット・デメリットをご紹介しました。

昔からあるアナログ回線は、2025年ごろを目途に残念ではありますがサービス終了となりそうです。
アナログ電話回線のみを利用している方は、IP電話やひかり電話への導入を検討しておくことをおすすめします。